テレビ番組での造語 [グッバイスプリット] の話を先月号で書いたら、何のことはない、書いた何日後かに [ゴールデンボウル] の再放送がNTVで始まった。 あら探しが面白いのでついまた見ちゃった。


ヤッパ間違いはあったよ・・・・。 番組の中で誰が言っていたか忘れたけれど [ガーター] って言っていたネ。 できるもんなら [ガター] って言ってほしいのであります。 ガーター[Garter] って言ったら、オイラは知らないけれど、オンナの靴下止めだ。 あッ知ってた!? ガター[Gutter] は [溝]って意味だろう? 溝にボールが落ちれば“ガタ”って音するぜ。 どう考えたってオンナの靴下止めじゃーネーよ!


スピリット[Spirit] かスプリット[Split] かってのもある。
スピリットを辞書でひいたら[精神][霊] 。 最後の方に[お化け] って出てきた。 「出たー!7−10だ!」 お化けが出たようなもんだからスピリットでも良さそうなもんだけれど、ここはヤッパ [割れる][分裂する] という意味のスプリットでなければならないのであります。


その昔良くあったね、ボウリングかボーリングかツー議論が。
その昔、AMFはボーリングといい、その他のボウリングメーカーはボウリングと表現していた。 今でも横浜のハマボール、金沢にジャンボボールっつうのがある。 少数派だけれどね。 ボウリングはBOWLING。 ボーリングはBORING。 ボーリングは穴をあけること、穿孔、試錘。


日本プロボウリング協会発行の [インストラクターズガイド] というのがあるが、その中にボウリング用語集が入っている。 スペア[Spare] の項目に目がとまって驚いた。 スペアの語源を [Spear] つまり [槍] であると言っている。 スペアのカタチが槍に似ているからなのだろうか? ボウリングは1球で10本倒すことを目的とする。 しかし1球で倒れない場合、予備としてのスペアが与えられるのである。 つまり予備 [Spare] なのだ。 スペアも取れなかった場合は、すべからくミスとなるのである。


ところでストライクマーク [ X ] の由来をご存知であろうか?
1.2.3.4.5.6.7.8.9.10. はアラビア数字。 Xはローマ数字の10なのだ。 Xは英語でテン「TEN」。 テンとは10ことである。 辞書を引くとTENは10のことと出ているが、[完成された][完全な] という意味もあるのだ。 ストライクは完成されたフレームなのである。 スペアは完成される半分、だからXの半分のマークなのだ。 槍じゃーネーよ!


その昔手書き時代に、 [ X ] マークの両サイドを塗り潰していたよネ? あれはもっと昔のスコアラー時代 [手動式時代] に、退屈紛れにスコアラーが塗り潰していたのを見ていた客が、それが正式な書き方だと勘違いしただけの話よ。[ X ] の左から右下の線を消せば[ X ] の半分になる、それがスペア [ / ] なのよ。


日本プロボウリング協会並びにその用語の著者宮田哲朗先生に告ぐ。
再版時には修正をお願いしたい。ついでにわたくしの原稿も全て書き直させてほしいネ。


次ページ:ボウリングトレビ[アシバラ]
すみ光保

すみ光保(すみみつやす)

■1935年東京都生まれ。株式会社スミ代表取締役。1967年にライセンスNo.4第1期生プロボウラーとしてデビューする。ボウリングインストラクターライセンスはマスター。
主な著作は、子供とボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(ぎょうせい出版)、VJボウリング(日本テレビ出版)、NBCJインストラクターマニュアル、ブランズウィック発行マニュアルなど多数。

BackNumber
このページの先頭へ