明けましておめでとうございます。
さて、さて、さて。先月大学教授の「所属組織のクリスクロス」という難しいお話しをさせていただきましたが、今月もわたくしが尊敬する同教授からのコメントをご紹介致します。過去にわたくしが書きました原稿の間違いを正してくださいました。そんな意味で教授はわたくしにとって先生です。また怒られるか?


2002年9月号の駄文タイトル「古いスポーツの概念からの脱却」の私の解釈が間違っているとの指摘を受けました。わたくしはこの原稿を何処を根拠にして記したか忘れていますが、教授の指摘です、無論この指摘の方が正解なのだから、みなさまにお詫びと共に訂正、教授のメール原稿をご紹介致します。教授、私の駄文を丁寧に読んでいただきありがとうございました。


以下、教授のメール
語源のことをメールします。小学館の大英和辞典と白水社の大仏和辞典が、一致して「すみ説」に異説を唱えていました。しつこく疑り深いのが学者の因果なのか、そういう性格なので学者になれたのか、多分両方です。つい調べてしまいました。"de (dis)" + "port" が "sport" の語源で、"de" が 「離れる」でプラス "port" であることは同じです。"port" には色々な意味があり、「港」でもあるのですが、"sport" の語源は「港」ではないと言っています。この場合の "port" は、フランス語の動詞 "porter" と同じだそうです。"porter" は、単純に「持つ」ではなく「保つ」です。命令文で "potez les arms" は「銃を身体の前で支え持て」ということです。緊張を持ってある姿勢を保つことなので、そこから離れることが、「気晴らし」の意味の "sport" になるとのことでした。「港」説も豪快な響きがあっていいので、意図的に選択されているのかも知れませんね。


ところが、尾道という小さいとはいえ港町育ちの私の幼児体験が納得してません。外人の船員さん達は、オカにいる時が休憩でのびのびしています。船に乗り出航という時は大忙しです。尾道には旅客は入らず船員だけでしたから、出航してくつろぐ旅客を見たことがないのです。多分、「すみ説」を疑ったのは、学者根性よりも、この幼児体験のせいでしょう。ということで、異説のご紹介でした。文系の学者のできることは、辞書を引くとかネットで調べるとか、たかが知れています。ボウリングに関しては、何も疑わず指示に従う良い生徒でいますので(身体が付いていかないことは別にして)、引き続きよろしくお願い致します。




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すみ光保

すみ光保(すみみつやす)

■1935年東京都生まれ。株式会社スミ代表取締役。1967年にライセンスNo.4第1期生プロボウラーとしてデビューする。ボウリングインストラクターライセンスはマスター。
主な著作は、子供とボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(ぎょうせい出版)、VJボウリング(日本テレビ出版)、NBCJインストラクターマニュアル、ブランズウィック発行マニュアルなど多数。

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