病院を出たり入ったりしていますので、今回が何回目の入院で何日目に当たるのか、全く分からなくなってしまいました。
いま多分40日目ぐらいでしょうか。  
懐に余裕があれば個室で過ごすのですがそうもいっておられず、ここではず―と4人部屋です。  
色々な人間模様があってこれはこれで大変に面白い。  

あるとき、くりから紋々の若いのが入室してきた。
A氏だ。彼は自らあたしゃーやくざのはしくれです。と名乗った。
同室の4人の中で1番若かった。
礼儀正しく、他の同室者への心くばりは大変なもの。
同室の患者の疑問や悩みを耳にしたら、即座に行動、回答を探して報告してくれるし、みんなの好物を知らぬ間に探っていて外出後にお土産に差し入れてくれたりする。
それらが全て正確。
その行動力と心づかいは大変なものでした。素敵な若者だった。  

B氏とは何故か4回ほど偶然同室になり、同病相哀れみもあるせいか仲良くなる。
彼はスポルトの横のビール会社に38年勤めていたとのこと。
会社出勤のたびに毎日生ビールを大ジョッキで8杯飲み続けたそうです。38年間もですよ。信じられますか? 
毎日大ジョッキ8杯ですよ・・・病気にもなるはずだ。  

そのビール会社は月1回地域の方を飲み放題にご招待、その時、人の卑しさを思ったそうです、この時とばかり飲みすぎて具合が悪くなり救急車の世話になる人が毎月続出とのこと。  
何よりも、綺麗好きでとにかく身の回りを清潔に保たねば気が済まない人で、いつもいつも掃除していました。

わたくしも綺麗、清潔に保ちたいとの気持ちには変わりないのですが、いつもワイフに頼っていました。
わたくしは常に他人に頼って生きてきた。そこが他の人とは違うところのようです。特にB氏とは。

B氏は20年以上前に奥様をなくし、子供はいないので、以来1人で生活をしてきた。
部屋の掃除片づけ、毎日の3度の食事も全て自分で行ってきとのこと。
わたくしのようなズボラ人間には信じられない。ですから彼は“食事昼寝つき”と呼んで入院を謳歌しているようでした。
わたくしも入院生活を楽しんでいることに変わりないのですが。

エアコンの設計を担当しているCさん。さすが設計担当、全て論理的で疑問はとにかく解決させる。
自分の病気を徹底的に調べ、そのために本を何十冊と買い込み、丁寧に自分のノートに書き写してファイル化している。
そのノートがすでに5冊以上だ。下手な医者よりよほど病気に詳しい。それは医者も認めている。  
わたくしと同じ血液内科だけれど、わたくしは自分の病気のことなど、何もわかっていない。
わかったところで自分ではどうしようもないのだから。専門家に任しているのだから・・・  

Dさん。彼は鉄道会社に勤務していて、血液内科の病気にかかったのだけれど、3人の中ではわたくしに近い極楽とんぼ。
休日は1日10時間以上パチンコと対峙だとのこと。
わたくしは大嫌いだけれど、彼はパチンコしていると気が1番落ち着くそうだ。信じられません。
とにかくいつも暇を持て余して、病人なのに院内をいつもうろうろしている。  

1番高齢だったEさんは83歳。彼が1番元気だった。
朝起きると4人部屋の真ん中に立ちんぼでがんばりとにかくおしゃべり。
1日中しゃべくっていた。こんな元気なお爺さんに初めて会った。しかも病院で。  

辟易させられた同室者にFさんがいる。とにかく会話はお金の話だけ。
PET検査は高くて○○円。CTは○○円。この検査はいくらかかって、食事は1食いくらである。
病衣は1日70円だとのこと。  

Gさんが入室してきました。二晩目だったでしょうか? 
夜3時に突然怒鳴り出し、ベッドをガタガタと揺らし、大声で隣の患者を怒鳴り始めたのです。
全員が起こされた。「馬鹿野郎いびきをかくな。こっちが寝られないじゃないか。いびきをかくなら息するな。」
わたくしはこの方にご退場願うことにしました。
わたくしも歯ぎしりがすごいのでマウスピースを装着して寝ています。  

さて、わたくしはいままで色々な病院を体験してきましたが、いまお世話になっている名古屋大学付属病院は最高の病院です。
病院の理念が全てのスタッフに完全にいきわたっていて、常に患者のためというスタンスが決して崩れない。
これは見事なものです。床掃除のおばさんから、特に看護師、担当医まで見事です。
ボウリングが大好きという担当医に本山の招待券をプレゼントしようとしたら受け取らない。院内の決まりだとのこと。  

 それにひきかえ**ホテルのレストランは、コストコントロールのことばかりが優先して、お客様に少しでも満足がいくお料理をお出しするという姿勢がまったく感じられない。  

例えばわたくしの大好物のデザート、クレープシュゼットがメニューにあるのですが、ブランデーが使われるのが基本なのに、全くなし。質問しようと思ったのですが答えは明白なのでやめにしました。

アルコールは病人に悪いから。というのがたぶん答えでしょう。
しかし、お客は患者ばかりとは限りませんし、例え患者でも相手にに聞いたらいいと思うのですが…    

つまり自分のための仕事か、お客様や患者のためなのか、ここが明確になければならないのでしょう。
 
本山ボウルやスーパーボウルはお客様のためにという明確なスタンスがあるでしょうか。反省しきりです。

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投稿者プロフィール

すみ光保
すみ光保
1935年11月8日、東京都生まれ。1967年1月にライセンスNo.4の第1期生プロボウラーとしてデビューする。ボウリングインストラクターライセンスはマスター。プロボウリング協会創設メンバーでもあり、プロボウリング協会に貢献した人物。2014年4月逝去。株式会社スミ、初代代表取締役。

主な著作は、子供とボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(日本テレビ出版)、NBCJインストラクターマニュアル、ブランズウィック発行マニュアルなど多数。