「お客の立場でボウリング場の仕事を観察していると、<楽しそう><ラクそう> <タダで投げれそう><遊んでいられそう><友達ができそう>と思い、
バイトを始めたら、見るのとヤルのとでは大違い、実際は大変な仕事だった。」
とのコメントがバイトの間から出てくるのが常だ。

 土台ボウリング場の仕事は掃除に始まり掃除に終わる。
決して楽ではない。遊んではいられない。ただ、楽しいかどうかは現場の環境であるし、リーダーの考え方に大きく左右される。友達ができるかどうかも同様だ。
基本は人間関係。職場を辞める第1要因はあるデータによると人間関係だという。第2位は目的が持てない。  つまり経営に“何のために”というミッションが無いということらしい。つまりそこで働くことの意義が持てないということなのだろう。  
無料で投げられるのもセンターによって違うが、当センターのチェーンはスタッフの投球は無料。センターによってはスタッフ料金をとるところが多くあるけれど、わたくしは反対ですね。  コックが料理の味見に料金をとられることは無い。お客様に少しでもおいしい食事をしていただくために味見をするのだ。同様スタッフが投球をし上達することを通してボウリングを学びお客さまのためにつながっていくべきと思う。

 ボウリング場には大きく14アイテムの仕事があるとわたくしは考えています。
①フロント ②インストラクター ③プロショップ ④フロアー ⑤企画プランニング 
⑥セールス ⑦セクレタリー ⑧メカニック ⑨メンテナンス ⑩清掃 ⑪総務経理  
⑫OJT教育 ⑬CS管理 ⑭その他現場による。

 これらの仕事を身につけることができればどんな職場でも通用するスタッフにつながると思うのだが…  これら14アイテムの仕事を5名程度の中心スタッフと学生アルバイトでまわしていかねばならない。レーン数の大小に影響を受ける部分は学生アルバイトの数で決まってくる。中心になる約5名は現場の考え方や、営業成績で決まってくるが、その他のバイトはバイト自身の都合で決まる。

 さて、意外と多くの仕事がある現場だけれど、それらをこなす組織は現実どのようになっているのか?  多くの現場は大昔からのすでに形骸化し機能していない縦割り組織を引きずっているの が現実で実際は機能していないところが多いようだ。

  本山の例をとるとわたくしの持論であるプロジェクトシステム(PJ)を採用したいと考えている。  例えば、AさんはフロントPJのチーフでその部下にBさんがいる。しかし、インストラクターPJではBさんがチーフでAサンがBさんの部下となるのだ。

 つまり、適不適があるし、得意不得意がある。みんながリーダーであるし、みんなが部下でもあるのだ。  これから現場で検討していきたいと考えています。何かご意見ございましたらご連絡いただきたくお願い申し上げます。

 さて14の仕事と言いましたが、仕事とは何か?
仕事と業務の違いを理解することは極めて大切なことだと考えています。
 仕事は 何のために が底流にあること。業務は 各種手続きだと考えます。
例えばフロントの仕事は、‘これから楽しいひと時を過ごされるお客様にそのきっかけをつくること’それが仕事。ここに接客の出発点がある。  
申込用紙に氏名をご記入いただく、レーンの指定、スイッチのON。などということは作業です。
つまり、仕事イコール目的が明確になっていた上で、その目的を達成させるために作業があるのだという意識が現場スタッフには欠かせないのだと考えます。
 この考え方が、各プロジェクトスタッフに明確に意識されているか否か・・・

 残念ながら、当チェーンではまだほど遠い。少しずつでもいい、素敵なボウリング場にしていきたいと思います。お客様と我々との共同作業で・・・

 まもなく開設2周年です。今後とも本山ボウルをバックアップいただきたいと存じます。

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投稿者プロフィール

すみ光保
すみ光保
1935年11月8日、東京都生まれ。1967年1月にライセンスNo.4の第1期生プロボウラーとしてデビューする。ボウリングインストラクターライセンスはマスター。プロボウリング協会創設メンバーでもあり、プロボウリング協会に貢献した人物。2014年4月逝去。株式会社スミ、初代代表取締役。

主な著作は、子供とボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(日本テレビ出版)、NBCJインストラクターマニュアル、ブランズウィック発行マニュアルなど多数。