「ボウリングは農業だ」業界におけるこんな凄い名言に今まで遇ったことない。そのうちボウリング名言集でも編纂するか? わたくしの関係したセミナー出席者で、有志の方々でつくっていますSBSCというメーリングリストがあります。(ご希望の方おられましたら資格問いません、ボウリング大好き人間どなたでもOKです。お申し込み下さい。)2007年7月5日にある方よりメールを頂きました。その内容がまた現状をよく表現されていて痛快。ご本人の許可をいただきましたので、ここに全文ご紹介させていただきます。(青字はすみ光保)

JPBA インストラクタークリニック について

 インストラクターのもっとも重要な使命は「ボウリングを楽しいと思わせること」ですが、今のインストラクタークリニックは「LTBもどき」ですね。知識偏重でかつ浅い。ぶっちゃけ金儲けの道具にしか見えません。まじめに参加してる参加者や講師のプロボウラーに対して非常に失礼です。なぜライセンスの発行に受講後半年もかかるのか? お金を取ったらハイおしまいって感じです。電話の応対にも何度切れそうになったことか。なんですか、あの電話に出た女の対応は? 闇金でももうちょっとマシな電話応対ができそうですよ!まったく。あ、愚痴は良くないですな。

 さて、閑話休題。私はJPBAのインストラクタースクールは、単位制にすべきであると思います(4単元)。 まずは、ホスピタリティー [ボウリングの楽しさを伝える&センターの顔]。そして、ボウリング知識 [ボウリング博士]。次に、技術的指導&コーチング [ビギナーからベテランまで。聞けば上手くなる]。最後に、LTBの企画運営&リーグマネジメント [最終目的はリーグの普及]。

 スタイルは通信制+実技テストの組み合わせでいいんじゃないですか? DVDとかを優秀な講師の方で撮れば日本の財産ですし。店にいながらすみプロの授業が受けられるなら果報者です。宮田哲郎さんの作った知識のペーパーテストなんてしびれます。受かる自信ないですけど。ネット配信やテキストでお金を儲けるのならばそれはよいビジネスですから文句はありませんし。正直ライセンス商法になっているJPBAの姿勢には、憤りを感じています。現状多くのプロボウラーの皆さんはノウハウを秘伝にしていわば剣術道場の師範で飯を食ってらっしゃるようですが、そんなことを続けてたらボウリングのマーケットはどんどんしぼんでいって最後は廃刀令、日本からボウリング場が無くなってしまいました・・・・って感じになってしまうのでは?と思います。プロボウラーの皆さんにも衛星予備校(衛星放送の予備校のことです)の講師みたいな活躍の場があってもいいのでは? 野球やサッカーのように試合で飯が食えるプロ、現場でお客様に飯を食わせてもらうプロ、どちらもボウリングという畑が痩せたらおマンマは食い上げじゃないですか。JPBAには我々センター同様、もっと畑を耕す仕組みに取り組んでほしいもんです。「ボウリングは農業だ」が私の口癖ですが、皆様はどうお考えですか? いやはや、口が悪いのでご気分を害された方がいらっしゃいましたらひらにお許し下さい。あくまでも真剣に問題提起をしているつもりではあります。

 さて、いかがでしょうか?現状のJPBAのインストラクタープロ制度に対する苦言と提案もさることながら、わたくしは「ボウリングは農業だ」という恐ろしく巧みな表現に感心しきりなのであります。ボウラーの皆様にはあまりピンと来ないかも知れませんが、わたくしのように、経営サイドで少しでもボウリングの素晴らしさをわかっていただきたいと努力している者にとって、絶好の格言です。またLTBやリーグ、インストラクターなどのセミナー講師担当者としてこの格言は正にいただきッてものです。農業は全くのド素人ですが、LTB作業と全く同じですよネ。これはあらゆるビジネスに共通するかも知れません。LTBはボウリング場経営のベースです。なぜなら、顧客を開発し、ボウリングの面白さ、効用を伝え、唯一の試合システムであるリーグにつなげていくのですから。

1.畑を耕す・・・・営業活動などを通してボウリングの素晴らしさを伝えてとにかくお連れする。(セールスだ)

2.種を蒔く・・・・お連れしたお客さまにボウリングの効用とか、スポーツとしてのおもしろさを伝える。(スクールだ)

3.水をやったり、日よけをしたり愛情を注ぐ・・・・お客さまそれぞれのニーズに見合った対応を行い、ボウリングに対する理解を共に深める。(誠意と自信だ)

4.育った作物を収穫する・・・・ある程度ボウリングをご理解いただけたお客さまに、ボウリングのスポーツとしての本質であるリーグを提案し、参加いただく。(リーグだ)

5.その作物を出荷する・・・・リーグは独立したひとつのクラブ。ボウリングリーグをご理解いただいたリーグ参加者の方々に自主運営をしていただく。(独立クラブとしての自主運営だ)

 と、まぁこんな具合に捉えられるのではないかと思うのであります。まさにピッタリ。名言だ! ドラッガーの名言に「あらゆるビジネスは、顧客を開発し、維持することである」とある。わたくしの名著? [LTBマネージメント(発行BPAJ)] 冒頭を参照あれ・・・・。

投稿者プロフィール

すみ光保
すみ光保
1935年11月8日、東京都生まれ。1967年1月にライセンスNo.4の第1期生プロボウラーとしてデビューする。ボウリングインストラクターライセンスはマスター。プロボウリング協会創設メンバーでもあり、プロボウリング協会に貢献した人物。2014年4月逝去。株式会社スミ、初代代表取締役。

主な著作は、子供とボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(日本テレビ出版)、NBCJインストラクターマニュアル、ブランズウィック発行マニュアルなど多数。

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