明けましておめでとうございます。
よ・・・・てなわけでわたくしお正月、あまり関係ない人ですので・・・・

さて、デザインを学んでいる30歳前半の末っ子から次のようなメールが届きました。ちょっと言い話であり、われわれ接客業と関係がありますのでご紹介。(原文のまま)

 
おはよう。変わらず元気かな? 特別用事はないんだけど、ちょっとしたエピソードをひとつ。 先日自宅から仕事場に向かうために渋谷を通った時のこと、井の頭線を降りて田園都市線に乗るためにマークシティの横道を歩いていたら、前方からきれいな女性が歩いてきました。かわいい顔でスタイル抜群、おまけにすごくオシャレな女性。そんな素敵な女性が近づいてくるなら、男として目が離せなくなるのは当然のこと。僕も世間一般の男達の例にもれず、すれ違うまでのわずかな時間、その女性から視線をはずせなくなりました。 10m、5m、1m・・・・ やっぱり抜群にいい女だなと思っていたら、すれ違う瞬間に突然僕に近づいてきて、ニッコリと笑顔で一言、「かわいいパンツですね」と・・・・。

パンツ??? 一瞬何がなんだかわからなかったけど、ふと気づいてジーパンを見てみたところ、チャック全開!恥ずかしいったらありゃしない・・・・ その場所は人通りが少ないから良いものの、人の多い田園都市線の乗り場付近に行ったら、何人の人に失笑されてたことか。 教えてもらって良かったなと思いました。

それにしてもその女性はすごい。普通はパンツまる見えで歩いてる人に、直接声をかけて教えあげることなんてなかなか出来ないものです。自分が変な人と思われるかもしれないし、教えてあげることで余計恥ずかしい思いをさせて、気分を害してしまうかなと臆するもの。僕も時たまチャック全開の人を見かけることがあるけれど、ひと声かけるというちょっとした勇気が湧かないまま、過ぎ去ってしまいます。教えてあげるだけでも尊敬してしまうのに、さらに彼女の伝え方にびっくり。普通に「チャック開いてますよ」じゃなくて、「かわいいパンツですね」って…。

たしかにその日はお気に入りのカラフルなボーダー柄パンツだったけど、それにしてもその気の利いた言葉に驚きました。微笑みながら、ユーモアまじりに相手の気分を害さない伝え方。気分を害すどころか、僕はそのひと言によって、自分の恥ずかしい失敗など吹っ飛んで、楽しい気分になれました。人のマイナス要因をほんの少しの言葉でプラスに変えてしまうセンスってすごい!美人だったから余計に良く見てしまってるかもしれないけど、それを差し引いたってすごく素敵な人だよね?当たり前のように一瞬で心を奪われました。出来ることなら声をかけて、お礼と称してご飯にでも誘ってみたい。でもチャック全開の人に教えてあげることも出来ないへっぴり腰の僕にはそんな勇気もない。お礼の言葉だけでも伝えようと、振り返ってその女性に「ありがとう」と言葉をかけると、ニコッとかわいく微笑んで軽くお辞儀をしてくれて、井の頭線に向かって歩いて行ってしまいました。そんなこんなでこの話はおしまい。チャックも閉められない三十路男の恥ずかしい話なんだけど、一つの言葉で人の気持ちを楽しくさせることが出来て、マイナスをプラスに変えることが出来て、驚きを感じさせることまで出来ちゃうのって、素晴らしいなことだなと思って書いてみました。

イマイチ話はつながらないかもしれないけど、ボウリング場でもそんな接客が出来たら良いよね? 状況を判断して、センスの良いアクセントをつけてお客さんとのコミュニケーションをはかる。そんなことを望まないお客さんもいるし、人それぞれ楽しい気分になれるポイントが違うだろうから、なかなか難しいけどね…。お客さんに対してだけではなく、一緒に働いている人に対してだってそんなコミュニケーションがとれたらもっと楽しく働けるはず。転送してもらってる社内メールを見ると、最近いろんな問題がある感じだね。ほんの小さな遊び心でも、人の心を動かしたり、マイナスをプラスに変えてしまう力があるのになと思いました。

何も状況を知らないのに、そんなことを書くのは失礼かもしれませんが・・・・。

投稿者プロフィール

すみ光保
すみ光保
1935年11月8日、東京都生まれ。1967年1月にライセンスNo.4の第1期生プロボウラーとしてデビューする。ボウリングインストラクターライセンスはマスター。プロボウリング協会創設メンバーでもあり、プロボウリング協会に貢献した人物。2014年4月逝去。株式会社スミ、初代代表取締役。

主な著作は、子供とボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(日本テレビ出版)、NBCJインストラクターマニュアル、ブランズウィック発行マニュアルなど多数。

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