本質や機能だけで、物が売れる時代はとうの昔に終わっています。
例えば、時計の本質は[時刻を正確に表示する]ということでしょう。 しかし今、5,000円の時計でも、1,000万円もする時計でも精度に不安をもつ人はいません。みんな精度は正確です。本物よりコピーの時計の方が、精度が良い場合だってあるぐらいです。文明というか、ハードの発達は本質に対する不安を完全に払拭しています。わたくしなどとても追いつけない。携帯電話とかパソコンなんて、わたくしにとっては不便この上ないものばかりです。いつの世も、時代は年寄りにとって益々不便この上ないものになっていくようです。

 
では、いま時計は本質ではなく、どのような魅力で売れるのでしょうか? 時刻を正確に表示する、という本質は当たり前なのですから、正確だから買うって奴はいない。本質の上にたっての付加価値が重要なのでしょう。例えばデザインが好みに合うだとか、メモ機能がある、ゲームが出来る、潜りの趣味に合うとか、レースをやる、パイロットであるなど、自分の趣味や職業に合ったものを時計として選択します。トイレは用を足すという本質から、お化粧を直すところであり、あるトイレは待ち合わせの場所にすらなっているのです。電話も本来の本質を遙かに飛び越えて、手紙のやりとり、カメラ機能まである。テレビまで見られるようになった。情報源であり、常に携帯できる。もう電話じゃない。こういった時代として当たり前の見方をボウリング場経営に当てはめてみますと、ボウリング場は当たり前じゃないのではないか? あまりにもズレているのではないのだろうか? 時代遅れではないのだろうか? ボウリング場の設備の本質は、故障のないマシン、綺麗なピン、見やすいAS、傷のないハウスボール等々になるのでしょう。恥ずかしながら、当スーパーボウルはこんな基本もいまだクリア出来ていませんが、例えクリアしていたとしても、そんな設備の本質だけでお客様の支持をいただける時代はとうの昔に過ぎ去っていると思うのです。どこのボウリング場に行ってもそのぐらいの設備は整っています。そんなレベルで勝負ができる時代じゃない。Brunswickなのか? AMF? そんなこともお客様にとってあまり関係ない。

それでは、これからのボウリング場はどうあるべきなのでしょうか? 時計の例をなぞって見ますと、時計は時計でありながらアクセサリーであり、コンピューターであり、ゲームである、計算機であり、情報源・・・・etcである。ならばボウリング場はボウリング場でありながら、劇場であったっていいじゃないか? クラブでもいいし、コンビニでもいいし、スタジオでもいい・・・・etc。つまりクロスオーバー戦略が必要なのだと思うのです。今まさに創造的アイディアが求められていると思います。なのにボウリング場はどこに行っても替わり映えしない。個性がない。独自性がない。皆同じ。時代にオンタイムしていないし、カッコ良くない。むしろカッコ悪い。ただ、健康にとてもいい! 家族、友人同士のコミュニケーションの媒体としての利用度が優れている! というような非常に良い特質があるのも事実で、これはとても大きな力になっていると思います。しかしそれだけでは勝負出来る時代はとうの昔に終わっています。

 
スーパーボウルは、おかげさまでそこそこの営業成績を上げております。しかしそれは、時代にオンタイムしているわけでもなければ、斬新な付加価値を提供している訳でもありません。ちょっとばかりのスタッフの努力と、立地が良いだけの話です。今、わたくしどもにとりまして大切なことは、ボウリングというスポーツは素晴らしいものであるけれど、その上にたった付加価値の創出です。皆様にとっての価値です。できればお客様をリードできるぐらいの新しい革新的価値の創出なのです。時代の半歩先を行きたいのです。革新的でありたいのです。皆様にご提案いただきたい。皆様と我々とでプロジェクトを創ってもいい。地域にとって、無くてはならない存在になりたい。それが切なる願いなのです。良きアドバイス、良きご提案をよろしくお願い致します。当センターディレクター宮武&結城にお声をおかけ下さい。

投稿者プロフィール

すみ光保
すみ光保
1935年11月8日、東京都生まれ。1967年1月にライセンスNo.4の第1期生プロボウラーとしてデビューする。ボウリングインストラクターライセンスはマスター。プロボウリング協会創設メンバーでもあり、プロボウリング協会に貢献した人物。2014年4月逝去。株式会社スミ、初代代表取締役。

主な著作は、子供とボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(日本テレビ出版)、NBCJインストラクターマニュアル、ブランズウィック発行マニュアルなど多数。

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