今年も東京体育館にジャパンカップ決勝ラウンドを観戦に行った。
WBCは連続世界チャンピオン。世界卓球ではベスト8と銅メダル。テニスは錦織圭が話題だ。ゴルフでは石川瞭が世界的スター。フェンシングしかり。
サッカーも強くなってきた。いまや多くのスポーツで話題は世界レベルです。
レーンコンディションや小手先で試合形式を変えてもPBAに勝てない。
PBAに勝つための努力をしないで勝てるわけないなのだが、果たしてその努力をしているJPBAプロがいるのだろうか・・・?? 協会もまた・・・
あるプロがインタビューに答えていた。
「あなたは強くなるためにどのようなトレーニングをしていますか?」
「ハイ、毎日ウォーキングをしています・・・」 ??
我が国を代表するトッププロの一人が曰く「無理、PBAには絶対に勝てない。第1体力が違う。167センチのノーク・テュークだって手のひらの厚さはボクの倍はある。無理です。」とのたまう。本当に無理なのですか?
無理ではないのだ、勝てないと思っているうちは無理だ。
ではどうしたら勝てるようになるのだろうか?
有元 勝氏に登場願おう。 有元氏とはお会いしたことはない。わたくしの駄文今年2月号「JBPについて」にコメントを寄せてくださってからメールでのおつきあいだ。 有元氏は言う。 「PBAを研究するうちに、それまでにも疑問であった、日本人のいわゆるローダウンと呼ばれるタイプのボウラーとPBAの違いに気づきました。
PBAはその球の強さばかりに注目が集まりますが、その強さの秘密は、再現性と万能性にあるとの仮説を立て、手に出来る全てのPBAボウラーのフォームを解析しました。
結論から言いますと、重心と軸のポジショニングの違いが、PBAの強さの秘密だと私は考えています。
まず最初に気付いた点は、従来の日本の理論では、スイングを重視し、極端に言えば、スイングを投球ラインに合わせ、身体の軸をズラし?よけながら、身体の中心に近づけてスイングし、そのスイングの終点、リリースポイントへインステップしながら重心を近づける…と言われていましたが、PBAは身体の重心を固定し、身体の外側でスイングし、その重心をブラさない位置にスライドし、スライドした軸足にスイングを近づけてからターゲットに投球している。
ゆえに日本の理論はコントロール重視と感じていましたし、文章にしてみると、日本の理論の方がコントロール性が上がるのは明白、いや…チョット待てよ…本当にそうなのか? 動的物理学的に見ても、そうなのだろうか… と、疑問がわき、物理の先生に聞いてみました。 もしかして、PBAの方が再現性、コントロール性に優れているって事は無いですか?と。
答えは…あんた、いい事に気付いたねえ、今まであたり前だと思っていたけれど、こうやって物理的に検証しようとすると、回転モーメントの単純化論として、PBAスタイルの方がコントロール性や再現性が高いと実験でも証明出来るよ。…と言うものでした。
その後、プロアマ問わず、日本人のオープンバック、ローダウン?と呼ばれるボウラーのフォームを検証した結果、日本人は重心や軸が従来の日本の理論のまま、PBAのスイングとリリースを組み合わせた、和製英語のような、ジャパニーズPBAスタイルが多い事に気づきました。 数年前のジャパンカップのDVDがセンターで流されていたので、コレでおもしろい実験をしました。 ボウラーで無い方に、日本人とPBAの、重心と軸の違いを話しDVDを見てもらうと、フォームを見ただけで、日本人かPBAかを言い当てたのです。
前置きが長くなりましたが、現在日本のボウリング界では、日本のPBAタイプと呼ばれるプロとPBAとはどこが違うと考えられているのでしょうか? この点を、筋力や環境、レーンコンディションの違いなんて言っていたら、日本はいつまでもPBAに勝てないのでは無いかと私は思います。 最近多く耳にする、曲げない方が打てる…と言うのも、日本人はインサイドに入るほど、重心の動きが大きくなるからでは無いかと私は感じます。」 と有元氏は言う。わたくしは大いに刺激を受けたが・・・ さて、あなたはどのように思われますか・・・?
わたくしから一言いわせていただくとPBAに勝つために必要なことはインストラクターではない、コーチングノウハウだ。 有元 勝氏はそこに向かっている。 今後注目・・・
投稿者プロフィール
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1935年11月8日、東京都生まれ。1967年1月にライセンスNo.4の第1期生プロボウラーとしてデビューする。ボウリングインストラクターライセンスはマスター。プロボウリング協会創設メンバーでもあり、プロボウリング協会に貢献した人物。2014年4月逝去。株式会社スミ、初代代表取締役。
主な著作は、子供とボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(日本テレビ出版)、NBCJインストラクターマニュアル、ブランズウィック発行マニュアルなど多数。