親友の娘、名をヒロコという。昔、彼女の結婚式に祝電を送った。「麗しき売春契約のご成立を祝し、心よりのお悔やみと同時に祝杯を挙げさせていただきます。」「すみテメー、バカヤロー」電話で怒鳴られて、1年以上連絡が途絶えた。
最近、『ちくま日本文学全30巻』なる文庫シリーズが出版された。これはきっと売れるのではないだろうか? 手軽で便利だ。40年振りになるか? 寺山修司のエッセイを読み返している。『家出のすすめ』というのがあって、その中に『サザエさんの性生活』ツーのがあります。1部抜粋、ご紹介致しますと、「マスオがサザエと結婚しながらついにその性生活を十年間ものあいだ、暗示だにされないというところに、この漫画の呪術的恐ろしさが感じられます。今日では、性行為を法制化するための結婚という形式そのものが問い直され、我々が結婚したいということは、抱きあってセックスしたいということだ、というのは誰でも知っている。(W・ライヒ:おしつけがましい結婚と長続き性関係)にも関わらず、ここではマスオの性欲は家の力によって虚勢されかけているからです。」
性行為を法制化するための結婚。ここが結婚制度を否定するわたくしのひとつの根拠であり、もう一つ大きいことは自由の自らの拘束であり、放棄あるいは裏切りとなるところなのであります。結婚制度そのものの歴史だってそんなに経っていないのだ。裏切られて地獄の辛苦を受け入れる覚悟にこそ、お互いが自由を保つ唯一の方法なのだ。かも知れない。(何度地獄に堕ちたことか・・・・)
これは、だいぶ前にこの駄文シリーズの中で触れたことがあったような気がしますが、探すのが面倒なので改めて書いてみましょう。渡邊 淳一に言われるまでもなく、わたくしも男と女は、犬と猫ほどの違いがあるような気がしています。男は拡散的であり、女は集約的であります。土台これは学術的裏付けのちぃーとも無い単なる自意識上、経験上の確率的な物の見方でありますが。
ある身近なところの美人(あるいはイケメンと勝手に思う)に一目惚れしたとしよう。(ほとんどの場合手近で済ませる)寝ても覚めても彼女(彼)のことばかり考える。仕事も勉強も手に付かない。とにかく彼女(彼)のことしか頭に無くなってしまう。近づきたい、話だけでもしてみたい。ある日話しできるチャンスが訪れる。言葉が出ない。何を話ししていいかわからない。しかし彼女(彼)が私に好意を持っていることだけは微かではあるが感じる。勇気を振り絞って次回の約束を取り付けたく電話をする。会う、また会う、そして会う。自信は持てないけれど好意を持ち合っていることが感じられる。手を握りたい、出来ればキスぐらいはしたい。確認したい。ある日その夢が実現する。天にも昇る嬉しさである。欲望は先に行く。抱きたい(抱かれたい・・・・すでに男女逆転か?)、肌を重ねたい。そして、それが実現する。宇宙にも昇る喜びだ。この女(男)はオレのものだ。アタシのもの。 これこそ愛だ。これが1番の間違いなのだ! お互いに。だいたいがそう誤解する。ここに暗黙の内の約束が出来上がる。おまえ(あなた)以外には手を出さないという約束。ここに結婚制度の制度としての問題点が生じる。肌を重ねあう行為が積み重ねられる。今まで第1関心事であった相手は、もうオレ(アタシ)のものである。その自信や安心感は相手の上にアグラをかくことにつながる。俗に言う浮気というヤツにつながるのだ。男を前提にいってきたけれど、この逆もまたあるのは周知の事実。但し男は拡散的で、億という精子をばらまきたい。億の内たった1個命中すれば事足りる。後は死滅。可哀想じゃーないか。何とか活かしてやりたいじゃーないか。その点、女はたった1個の卵子でOKなのだ。だから1点集中的になるのかも知れない。だが拡散的な女もいるし、集中的な男もいる。いろいろなヤツがいるから人生面白いのであって、結婚制度を制度として決めつけてしまうところに問題があるのだと思う。土台、子孫を残す目的のためにセックスするヤツがどこにいる? 夫婦愛・親子愛・家族愛、そして家系・先祖などを全て否定するのか? という突き付けがあります。そんなことは各自の価値観で捉えていくことでいいのだ。制度で縛り付けることはないのである。わたくしの唯一反省というか、心残りは愛する子供達を傷つけてきてしまったという事。絶対に傷つけない方法があるはずなのに。わたくしの説得力の無さ、いわんや論理性の欠落などでここまできて更に今困った状態に自らを貶めている。残念無念。
結婚を否定しながらわたくしは3回も結婚してしまった。結婚を否定している者同士が、結婚しても結婚には縛られない。この物の見方が間違っていたネ。だから今もう1度やり直したいのだ。そして4回目を。多分最後になるだろうが試してみたいのであります。どなたかこのわたくしのささやかな望みを叶えてくださいませんか? 紹介してよ。 「あなたみたいな幸せな人この世にはいないわよ!」これがわたくしメと少しでも生活を共にした同居人の口癖であった。ボウリング万歳?
投稿者プロフィール
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1935年11月8日、東京都生まれ。1967年1月にライセンスNo.4の第1期生プロボウラーとしてデビューする。ボウリングインストラクターライセンスはマスター。プロボウリング協会創設メンバーでもあり、プロボウリング協会に貢献した人物。2014年4月逝去。株式会社スミ、初代代表取締役。
主な著作は、子供とボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(日本テレビ出版)、NBCJインストラクターマニュアル、ブランズウィック発行マニュアルなど多数。