馬が大好きです。自分では馬を飼ったことはないけれど、疎開時に農耕馬と3年間過ごしました。
あの優しい目にはたまらなく惹かれますね。

昔、千葉にいる友人が乗馬馬を持っていまして良く子供達と乗せてもらったものです。
馬の目の優しさはなんと表現したらよいのでしょう。あらゆるものを優しさで包み、優しさだけで全てを見ているような感じを受けるのはわたくしだけでしょうか。  

子供の頃から馬を飼うのが夢のひとつだったのに。馬のように全てに優しくありたい。  
聞くところによりますと馬の視界はとても廣くて350度以上あるそうですね。
走っていても自分の後ろ足が見えているのだとのこと。凄いですね。  
競争馬はなんと読むのか遮眼革というらしいのですが、視界を前にだけ絞り込むものを良くつけているようです。
専門的にはブリンガーと言うらしい。  

昔ブランズウィック時代、ボウリングで隣りの動きが目にはいり集中を乱されないためにボウリング用ブリンガーつまり精神集中力用眼鏡をつくり売り出したのを思い出します。
従兄弟の眼鏡屋に協力を仰いで、眼鏡の産地である福井県の鯖江まで何回も足を運び苦労してつくったのですが、
無論半分ジョークでしたが、少しも売れませんでした。  

わたくしは現在ブリンガー人間でして、視野が狭く、独断的で、周りが見えない、人の言うことをどちらかというと聴かない頑固人間。今や年をとりその感が強い嫌われジジイになっているようです。
またよく馬齢を重ねるという言い方がされます。 <世に認められるような仕事もせず、いたずらに年だけ取っているという謙遜した表現。 馬齢を重ねるは単に無駄な時間を過ごすことではなく、男がするべきことをしていないという自嘲の意味もあります。
現在のように男女同権、価値観の多様化と縁のなかった封建時代の考え方です。
>これは一部ネットからの引用なのですが、まさにわたくしは馬齢ばかり重ねてきた感が強い。  
同時に人間全て死に対してはブリンガーですね。ブリンガーでなければ耐えられないのでしょうし生きられない。
つまり自分の死がみえていたのでは大方困るのではと思います。  
ブリンガー着用競馬馬はカッコ良いのですが、きっと馬自身は辛いのでしょう。だっていつもみえているところがみえなくされるのですから。
わたくしはいつもみえるところをみえなくして、もうちょっとラクして残り人生を楽しめたらいいと思うのです。
ですからそのような意味では本物のブリンガーがほしいのです。  
複眼的、単眼的視点だとか、俯瞰、鳥瞰などの表現もありますが、わたくしはどうも単眼的視点で生きてきたみたいな気がしています。
複眼的に物事を見ていくことはコーチングやマネージメントには極めて重要な要素だとは思うのですが、どうも性格的にかわかりませんがブリンガーですし、その方が楽ですね。
言葉を換えて言えば自己中であり、我がままであり、我が強よいたんなる頑固ジジイに成り下がっているようです。
この程度の自己分析は出来るのですから自己改造していけばいいのでしょうが、いまさらこの歳になってと言う捨て鉢さ加減もあるのかも知れません。  

ブリンガーでボウリング業界もみているのですから、的確な判断が出来ているわけがない。ただし、わたくしの身の回りには最高の人材がいる。
染谷景一郎プロであるし、有元 勝コーチ、川添奨太プロ、北村恭子、佐藤純子、古橋秀規など当社のスタッフ、林久美子プロ、最近出会ったイーグルボウルの山本支配人、伊藤睦昭プロ。森野英樹支配人、コンサルの神戸壮太、OBSK(オリベッティー会)の小椋氏等々。みんな素敵な人たちだ。  

さてOBSKといえば本年度の一貫したテーマがLTB。
LTBの専門家を自任しているわたくしとしてはとても嬉しいことです。
名古屋地区で“LTB概論”と“LTBの実際”という講演をさせていただきました。
新たに3センターがLTB実施に踏み切られました。多分成功なさるでしょう。

平行して親しき友人榎田勝志がLTB集客のポイントでOBSKでも活躍しました。
いまやLTB集客のメソッドに関しては榎田が最高で彼の右に出るものはいません。  

しかし専門家の立場から批判させていただくとしたら、榎田氏のLTBテーマは健康であり、楽しさです。それは間違っていないのですが技術向上が抜け落ちている。むしろ技術的なことは避けるべきだとの考えをもっている。
したがってかれの弟子などはスパットなんかは教えるべきでないとさえ言っている。
彼らはまったく投げない。インストラクターでもなくプロでもない。それは少しも重要ではないのですが、しかしボウラーではあってほしい。単に楽しさと健康だけであったらボウリングでなくても良いということになる。

あらゆるスポーツは健康に直結するし、コミュニケーションに機能する。100歳のおじいちゃんだって1本残ればスペアをとりたいと思っている。そこを上手く指導し喜ばせて差し上げるのがインストラクターなのだ。
技術指導なくしてLTBはあり得ないし、スポーツ指導は存在しない。LTBの目的はリーグです。
リーグは経営角度から言えば生涯顧客の創造で、この素敵なスポーツであるボウリングを一人でも多くの方々に知っていただき、一生を通して楽しんでいただきたい。
ですからLTBインストラクター能力として、*リーグ移行率 と *リーグ継続率が重要なテーマになるのです。  
プロインストラクターの立場で言えば技術指導を無視したこの現状は困ったもんだといいたいのです。

もっと困ったのは本元のJPBAインストラクター部会が全くの無関心だと言うことです。
つまりインストラクター部会としてのLTBに対するなんの見解も理論も持ち合わせていない。  
言い方を変えればスポーツとしての見解を持ち合わせていないのです。  
おたがいこのブリンガーのスタンスからの早急なる脱却が必要であり、今年のテーマのひとつになるのかも知れません。  
LTB基礎=LTBプラス=LTBコーチング、この3部作が確立してこそLTBは完成すると言って良いでしょう。
何とか最後を完成させたいと思っているのですが。
①LTB基礎   →教える  
②LTBプラス  →引き出す  
③LTBコーチング→希望のところへ導く  
この3ッの流れができあがらなければLTBインストラクターは完成しない。

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投稿者プロフィール

すみ光保
すみ光保
1935年11月8日、東京都生まれ。1967年1月にライセンスNo.4の第1期生プロボウラーとしてデビューする。ボウリングインストラクターライセンスはマスター。プロボウリング協会創設メンバーでもあり、プロボウリング協会に貢献した人物。2014年4月逝去。株式会社スミ、初代代表取締役。

主な著作は、子供とボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(日本テレビ出版)、NBCJインストラクターマニュアル、ブランズウィック発行マニュアルなど多数。