わたくしが小学校3年生のとき、戦火を避け家族で静岡の池新田塩原というところに3年間疎開しました。
現在ゴルフ場の名門静岡カントリー浜岡コースになっていますが、その前身は高松小学校というところでそこに編入されました。  東京ッ子がきたというので早速腕試しで、クラスで1番喧嘩が強いヤツと決闘をさせられる。わたくしはボクシング、相手は相撲の構えだ。わたくしのパンチが先に入り何故か勝ってしまった。子供の喧嘩は先に相手を泣かせれば勝ちなのだ。
それからが大変だった。隣村の学校といつも喧嘩だけれど、そのたびにおだてられ矢面に立たされるわけです。
隣村とはいつも対立でした。わたくしはいまだにおだてに弱い。  

人間誰もが必ず何らかしらの組織に属しています。
会社かも知れないし、学校、あるいは町内会、趣味の会かも知れないし、リーグかも知れない。プロ協会、場協会等。仲間同士の集まりかも知れません。家族だって組織だ。そうして多くの、あるいは全ての組織は悪い意味での日本的ムラ社会を形づくっているものです。
ムラの恥は表には出さないようにする。
ムラの価値観を強要させる。
みんながこうだからおまえもこうしろという。
自分を棚に上げて上下関係で他を見る。議論で対立するとその相手は敵になってしまう。
先輩だからと言って人格的に優れているわけでもないのに、先輩後輩の根強い差別。
そうして肩書き重視。
無難さのみでしか考えない性癖。
意見は人それぞれ違いがあるということを忘れているのか置き去りにしている。常に長いものに巻かれている現実がある。
残念ながらすべからく保守的。  
“人間徹底的に自由である”という基本視点が欠落する。
このような同質性価値観から早く脱却しなければといつも思うのです。
ここに日本人の一番の落とし穴があるのではないのでしょうか。

プロ協会など冴えたるものだし、ましてや東海地区プロ支部は救いようのないムラ社会のよう気がする。
先輩が幅をきかせて挨拶があったとかなかったとかそんなことばかりに気を使っているようだ。だから癒着化する。
協会や支部運営は年功序列だと抜かしているとのこと。プロがこれではボウリングが発展するはずがない。
愛知県も自分さえ良ければというムラだ。

東北のがれきを何処も引き受けない。自分達さえ良ければというムラ独特のエゴイズム。
全ての組織が東京電力もどきだ。配慮がない、優しさがない。
必ずくるであろう東海地震を想像すべきだ。そんな想像力もない。人間として悲しい。日本国そのものがムラ社会。  

例えば夫婦別姓の論議もいまやどこかにすっ飛んじゃっていますね。
なんでこんな当たり前のことがいまだに整理できないでいるのでしょうか。別姓反対論者には人間が基本的に自由であるという視点が欠落しています。
少子化といいながら結婚制度に縛り付けている現状。
何故シングルマザーがいけないのかその理屈がわたくしにはわかりません。土台理屈がない。
シングルマザーは社会的に反するという視点なのか。シングルだと何故社会的に保護されないのか。
こんな状態だから少子化は収まらないのだと思うのです。結婚制度なんてのは単に印鑑レベルの問題だとわたくしには思えます。法的に囲い込むからみんな囲いの中に入って安泰、無難を決め込むし、シングルを避けようとする。
みんなが結婚するからわたしも結婚する程度のレベルではないのでしょうか。みんなと同じでないと落ち着かないのがムラ社会ですし日本人。結婚なんてのは一種の売春契約だ。  

最近あるセミナーを担当するにあたり独身比率を調べたのですが、7年前30歳から 50歳の独身者は980万だったのが、ここに来て軽く1000万人を越えたそうです。
しかし問題はこの人達は結婚制度を否定しているからではなく、みんなそれぞれ結婚はしたいのだけれど、できない状況にあるということ。
経済的理由が1番大きいみたい。いまや一生独身でいる率は男性で約20%、女性で約12%だという。
これらは結婚否定ではなく結婚したくともできない人がほとんどらしい。所帯数も1957年5人平均だったのが4人になり、3人と減り現在東京では2人を切ったということです。
話をしたくとも相手がいない現実。家族という組織がなくなりつつあるようです。

このような時代、新たなボウリング場の役割が現出してくるでしょう。
もうすでに新しい時代の役割がボウリング場にはあるのです。それがリーグだ。  
結婚制度の歴史なんてまだそんなに長いものではないのでは?・・・
明治時代、キリスト教の影響から結婚制度が法的に生まれてきたと聞きました。
それまでは夜這いや通い婚なんてしゃれた習慣があったみたい。  
本当かどうかは知らないけれど身分の1番高い女性はある時代では遊女であったといいます。

わたくしがいいたいことは結婚制度なんてぶっ壊せということです。わたくしは相方の要求できちんと籍を入れていますけれど。いずれにせよ壊さなければいけない制度や組織、ルールなどはごまんとあります。

それらをひとつずつつぶしていく必要があるのではないでしょうか。
その根底にあるのは自由というスタンスと友愛という視点です。  

その昔、名古屋に東急資本のホテルが進出するという噂が流れました。
名古屋の旅館やホテル業界は大賛成の意思表示。
ところがその話が実際に具体化されてくると、いままで賛成していたところが手のひら返したように反対に回った。
そんなことを思い出しました。
おらがムラを荒らしてくれるなということだったのでしょうか。

プロ協会と場協会は全く別組織、非加盟センターで仕事をするプロに東海支部では無言の圧力をかけるという。
本当だろうか? 本当だ。
本山は昨年5月まで非加盟だったのでよくわかる。東海支部が場協会に媚びているのがよくわかる。
毎年支援を受けているからとはっきり言う。つまりひもつきに成り下がっているのだ。   

例えば、リーグでいえば、ある人があるリーグに入りたいという。ところがそのリーグはよそ者は入れたくないという。
自分たちのムラを守りたいからでしょうか。
われわれのLTB&リーグの精神は“みんな仲良く楽しく”です。  
いずれにせよムラ社会をぶちこわしていかなければ組織は良くならないし、いつまで経っても日本はダメです。  

大切なのは老人が立ち上がることなのだけれど、立ち上がれる老人がいないのだ。  
“老人よ大志を抱け”

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投稿者プロフィール

すみ光保
すみ光保
1935年11月8日、東京都生まれ。1967年1月にライセンスNo.4の第1期生プロボウラーとしてデビューする。ボウリングインストラクターライセンスはマスター。プロボウリング協会創設メンバーでもあり、プロボウリング協会に貢献した人物。2014年4月逝去。株式会社スミ、初代代表取締役。

主な著作は、子供とボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(日本テレビ出版)、NBCJインストラクターマニュアル、ブランズウィック発行マニュアルなど多数。