出典を明確にすればいくらでも引用はかまわないのだけれど、あたかも自分の文章のごとくに他人の著作を盗用するのはけしからんことです。
我が業界これが多い。  
自センターで「ストライクチャレンジ」という営業企画を実施していたところ、ある学生のお客さまがラウンドワンのパクリだと話しているのを聞いて密かにハラが立ちました。

この企画は昭和39年のハタボウリングセンター企画室長時代にわたくしが考案して実施。
その後ブランズウィック会(BW会)企画として業界に紹介したものです。「一投チャレンジ」も同様です。
役者時代の体験が生ませた企画です。  
というわけで業界の定番企画となっているいろいろな優れた営業企画の出どころをにさんなりともここに明確にしておこうと思います。  

1番歴史が古い営業企画は「レッドピンチャレンジ」でしょう。
東京ボウリングセンター時代の昭和30年代はじめにすでに行われていました。この企画はハワイから入ってきたもので当時は新鮮というか目新しくみんな夢中にチャレンジしたものでした。この時代ハウスボールの預かり料金が50円であり、また持ち込みピンのセットが1ゲーム100円でした。
ウッドピン(さくらんぼうのラベルが貼られていたので我々はチェリーピンと呼んでいた)時代にPXで仕入れたプラスティックピンを持ち込んで投げたものでした。  

同様、定番企画というか潮流企画というか現在最も定着している優れた営業企画はいくつかありますがまず長い歴史を持つ「フリータイムコンペ」。
昭和47年からの業界最大の落ち込み時代、きっと何とかお客さまに試合の面白さを伝えたいと思ったのでしょう、そして落ち込み対策としてこのフリータイム企画が生まれたのです。
発案者は今は閉鎖してしまいましたが岐阜の都ボウルのインストラクターの方のアイディアでした。
わたくしのインストラクター講習会に出席なさって相談を受けたものです。この企画は表彰ものですね。  

もう一つ表彰したい営業企画に「グルコン」があります。グルコンはブランズウィック会で取り上げて、これまた業界定番企画となっていますが、もともとは星ヶ丘ボウルの後藤初代支配人のアイディアなのです。
グルコンとはグループコンペの略。
ブランズウィック会といえばあるとき「チェーン方式」を発表。4~5年後にベーカー方式としてアメリカにパクられました。
たびたび来日したフランク・ベーカーという当時のBPAAの会長の名前からネーミングされ、いまやこのベーカー方式はルールにまでなっています。
悔しいね。われわれのアイディアだったのに。  
同様リーグのポイントで“マッチゲームポイント”がありますが、これももとは40年ハタでわたくしが行ったものです。
その後ブランズウィックを通じアメリカに渡り多くのリーグでこのポイントが採用され逆輸入されました。
これは名誉なことなのですが、ベーカー方式のように自分の名前を冠に付けておけば、いまやわたくしはリーグでは世界のスミだ。??  

ハイフレームという面白い企画がある、
当センターの専属プロ川添奨太のチャレンジの時よく行うのですが、この企画の川添の相手は3人で、各フレームの3人の内、1番良いマーク1つを下に降ろしてそのトータルで戦う。
奨太の本山でのAVGは240点台だけれどそれでも奨太はなかなか勝てない、勝負は分けることが多い。
さて、このハイフレームの出所がわからない。日本で考案された企画なのか、アメリカのものなのか、どなたかご存じの方おられましたら教えてください。  

日本ブランズウィック時代のBW会(現在と違う)はわが業界に非常に大きな影響を与えてきたと思っています。
ここで中心になって数々の企画を創り出したのが秋山香二氏だ。
彼はわたくしと違い非常に謙虚な男だから表に出ようとしないが、彼の業界に与えた影響は非常に大きい。
素晴らしいアイディマン、企画マンだった。そうしてカメラマンでありコピーライターだった。
わたくしは彼に大きな影響を受けてきましたね。振り返ってみると当時のブランズウィック会企画は現在でもなお通用、必要とするものが目白押しだ。

例えば“ひと声キャンペーン”であり、“ストライキングキャンペーン”“キャップシステム”その他いろいろ多岐にわたる。
今でも、いや今だからこそ通用する企画がいっぱいある。  
LTBが米国から入ってくる前に同様の企画を提案したのもBW会だ。
“招待ボウリング教室からリーグへのパターンづくり”これはわたくしが作成提案したもので、紙芝居を作りました。
当時紙芝居はインストラクター教育用につながったと思っています。写真とテキストは手元にあるのですがどこかに現物が残っていないでしょうかね。  

現在本山ボウルはオリベッティ会(OBSK)に入会しておりますが、OBSKでの本年度テーマはLTB。
OBSKでLTBの過去のいろいろな資料をご披露したいと思っております。
それと、過去行われてきた、そうして今でも行っているLTBの改良点、古いところ、新時代の投球技術などを明確にしていきたいと思っております。  
平行して今年9月にABS主催で「LTBプラス」を開催致す予定です。
講師はわたくしと川添奨太のダブルスでの担当。

今までベーシックLTBの続編がなかった。
伸び悩んでいるボウラーが多い。ふれたように過去の古い教え方から抜け出せていないLTBがほとんどです。  
「LTBでは技術的なことにはふれるべきではなく、従って私はスパットなどは教えない」と言うコンサルがいるぐらい。

これは大変困ったことです。インストラクション技術まで否定していることになります。  
この方の言いたいことは技術よりコミュニケーションだ。と言うことだと思うのですが、それは決して間違いではなく正解であるものの、技術を否定し、ましてやスパットは教えないなどとはもってのほか、これはもうインストラクターとかLTBコンサルなんてもんじゃない。
是非LTBプラスを受講していただきたい。  

最近の営業企画の出色はグランドボウルチェーンの「シンデレラキャンペーン」だ。これは凄いね。軌道にのるまではきっと耐えなければならないながい時間がかかったでしょう。聞くところによれば無料の女性比率は25%。4人に一人。
後は男性だから正規の料金になるわけだ。  

本山ボウルで現在誇れる営業企画はこれと言ってありませんが、強いて言えば年2回8月と12月に行われている“リーグ対抗トーナメント”でしょうか。
リーグが20本を越えたときに支配人北村恭子の提案で始めたのですが、各リーグから代表チームをだして対抗戦を戦うわけです。応援団がすごく、試合もエキサイティングで観ていて面白い。これをきっかけにリーグもより開発されました。  

そうして社内キャンペーンの「もっとお話ししようよ」ぐらいでしょうか。これはLTBプラスの終了後、マニュアル化して発表したいと思っております。
つまり「インストラクター接客」です。業界では接客の勉強会を昔からよく行ってきましたが、ボウリング場にはボウリング場独自の接客があるという視点が全く欠けていました。
“これからはインストラクター接客”なのです。これがうまくいけばお客さまに喜ばれ、100%増客、増収に結びつく。断言します。楽しみにしていてください。

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投稿者プロフィール

すみ光保
すみ光保
1935年11月8日、東京都生まれ。1967年1月にライセンスNo.4の第1期生プロボウラーとしてデビューする。ボウリングインストラクターライセンスはマスター。プロボウリング協会創設メンバーでもあり、プロボウリング協会に貢献した人物。2014年4月逝去。株式会社スミ、初代代表取締役。

主な著作は、子供とボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(日本テレビ出版)、NBCJインストラクターマニュアル、ブランズウィック発行マニュアルなど多数。