「“LTB概論” LTBは経営の基本だ」というタイトルで、3月23日にあるグループのセミナー講師を担当しました。
4時間のプログラムでした。 久しぶりの講師業務であり緊張と息切れで最悪の出来だと自分では思ったのですが、結果はどうだったのでしょうか。とかく自己評価と客観的評価はマッチしないものです。  

本山ボウルからも北村支配人が出席し自センターのLTBデータを約30分の時間枠で発表。
北村も緊張していたようです。  
本山ボウルには女性支配人が2人、佐藤と北村がいます。かって小郡も高松も2人支配人態勢で成功した経緯もあり本山でもこの方式を採用し現在成功しているとわたくしは思っています。
北村&佐藤の2人も最高のスタッフで、彼女達が中心となり本山は何とか回っています。
みな様の評価はいかがでしょうか。  
セミナー時データ発表の際 北村はわたくしのことを社長、社長と連発しました。これは非常に居心地が悪かった。  
肩書きは敬語でもあります。ですから「わたくしどもの社長さん」とか「社長様」というような表現がよく聞かれますがこれは接客話法上不適切であり間違いです。敬語はダブって使わないという接客話法の鉄則があります。

社内で社長ですとか部長、支配人などと呼ぶのは何ら差し支えないのでしょうが、お客さまや公式の場で話すときに自分のところの社長を紹介するとき社長と呼ぶのは呼ばれる方の居心地を悪くするのです。
少なくともわたくしは居心地が悪い。なぜならわたくしは弊社のスタッフにとっては社長ですが、他は関係ないはずです。

ですから基本形は「私どものスミは・・・」でいいのです。他人の前で身内を敬語で呼ぶな。これ基本。
スミと呼びつけにするのに抵抗があるのでしょうねきっと。
自宅でお母様と呼んでいるのに外では母というのと同じなのに。  

昭和43年(1968年)、弊社が設立された当時わたくしは社長と呼ぶのを禁止しました。
全員スミさんでした。
それがスタッフが20人を越えた頃になり、社内会議で社長と呼ぶべきだということとなり、居心地が悪いながらもスタッフ総意ということで、ここまできてしまったわけです。がしかし、社内で言われる分には慣れもありそう抵抗がなくなっているのですが、外部の方の前で社長と言われるのにはいまだに抵抗感があるのは何故でしょうか。
外部の方にとってわたくしは社長ではないはずです。  
お客さまはわたくしのことを・すみさん・先生・社長と3様に呼んでくださいます。すみさんといってくださるのが一番嬉しいし当たり前。
教室を担当しているときは先生と言われてもあまり抵抗感がありませんが、教室外で先生と呼ばれたくないし、お客様に社長とも呼ばれたくない。すみというのがわたくしの名前なのです。 
わたくしが教室などでボウリングをお教えしている方から先生と呼ばれるのはまだいいのですが、そ れ以外、ほかの場所などで先生や社長と呼ばれたくない。何故か居心地が悪い。  

お客さまにとってわたくしは社長ではありません。(株)スミのスタッフにとってのみ社長なのです。同様にボウリングをお教えしているときは先生かも知れませんが、そこを離れれば先生ではなくすみ光保なのです。  

以前書いたことありますが、“Aという集団では先生役の者が、Bという集団に属せば、そこで生徒役にもなる。Aという集団で生徒役の者が、Cという集団では先生役にもなる。教える側と教わる側は、今の日本ではまだ身分のようになっていて、学校の外に出ても教員は「先生」という蔑称で呼ばれますが、昔の生徒以外にそう呼ばれる筋合いはない、と思っています。
生徒以外も教員を「先生」と呼ぶのは、教育が行われているのがムラ社会の中であり、「教えること」が「する」の論理でなく、「教員は教員である」という「である」の論理に乗っているせいです。  これを壊すのは大変です。
教わる側があって、初めて教える側が「先生になります。」子どもを産んで初めて、女性は「母になります。」
「女は母に生まれるのではない、母になるのだ。」(ボーヴォワールをもじってみました。)
「先生」や「母」は身分ではなく、機能概念ないし関係概念ということができます。ですから、自分の子どもでない人に「母さんと言われては困るのと同じです。”  これはLTBに参加くださったある大学教授に対し、わたくしが先生とお呼びしたことに対するお叱りのコメントです。全くその通りです。  
毎月定期健診で名古屋大学付属病院に通っています。そこでは看護師さんや事務関連の人が患者さんをお呼びするとき必ず「お名前で失礼いたします」と言っています。なぜ名前で呼ぶのが失礼になるのか聞いてみたい。
たぶん個人情報保護法ってやつに気を使っているのでしょう。眼科だけは<お名前でお呼びさせていただいております>と張り紙があり実行している。張り紙を出す必要もないと思うのですが…  

セミナーなどで参加者名簿を配り、後々参加者同士のコミュニケーションを図ってくださいと言ってきましたが、それさえもでききなくなっちゃた。この悪法は人間関係を疎外していくのではないでしょうか。  

人間誰しも名前を持っています。にもかかわらず何故名前でお呼びしたらいけないのか。番号などで呼ばれる方がよほど気分が悪いし居心地が悪い。  個人情報保護法は悪法ですね。
この悪法で人はどんどん無責任になっていくよ。

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投稿者プロフィール

すみ光保
すみ光保
1935年11月8日、東京都生まれ。1967年1月にライセンスNo.4の第1期生プロボウラーとしてデビューする。ボウリングインストラクターライセンスはマスター。プロボウリング協会創設メンバーでもあり、プロボウリング協会に貢献した人物。2014年4月逝去。株式会社スミ、初代代表取締役。

主な著作は、子供とボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(日本テレビ出版)、NBCJインストラクターマニュアル、ブランズウィック発行マニュアルなど多数。