5月20日有元コーチングセミナーが初めて名古屋で開催された。
このセミナー15名程度集まればおんの字と思っていたけれど、32名も受講してくださった。嬉しい限りだ。
ボウリングマガジン(BM)の後援をいただいたこと、有元のBM連載の評判、主催者である林久美子とその夫君の頑張りなど、大勢ご参加いただいた要因は色々あるけれど、本日ご報告したいことはまず本セミナーとこの集まりの今後です。
わたくしはズボラ男なので、過去自分が書いた駄文を全くといって良いぐらいに見ないしチェックしません。見ても退屈なのと今更どうしようもないからです。有元勝との出会いも、もしかしたら書いたかも知れませんがまずは少しふれておきます。
2年少し前でしたか、見ず知らずの男、有元勝からメールをもらいました。そこにコーチングに対する有元理論が添付されておりました。これがわたくしにとって衝撃的だったのです。 それまでわたくしはボウリングで1番大切なのはスイングであると50年以上言ってきましたし、指導してきました。
“足がなくともボウリングはできる。が、腕がなければ決定的にボウリングはできない”というのがわたくしのスイング重視論の根拠でした。
有元理論はそれを否定するものでした。自分の理論を否定されるのは普通面白くないものでしょうが、そこは人間ができているわたくし故大歓迎というより、わたくし自身疑問に思い始めていたときでもあったのです。むしろ新鮮、快感でした。
スイング理論に対して、彼は軸理論を展開、そこにPBAの万有性があるとの理論展開です。韓国に追い抜かれPBAに少しも追いつけない現状を何とかしたいと思っていたときでもあり、有元理論の斬新さと先を行くスタンスに感動したものです。
これは広く世間に発表すべきと思いボウリングマガジン連載につなげたという次第でした。
多少難しすぎるという嫌いはあるのですが、熱心なマニアの支持をうけて大好評。
セミナー開催の希望もあり、東海の林久美子プロとご主人の林ドリラーの協力のもとに5月20日たった3時間の短い講演でしたが、これまた大成功で実施することができました。
日本には初心者を教えるインストラクターはいても、ボウリングコーチが全くいない。
トーナメントプロライセンスがあればコーチングはできるのだとの錯覚とうぬぼれがある。 ここに世界に後れをとる最大の要因があるのです。有元の出現はそのような意味でエポックであり、今後の方向性を示すものであるのです。そこには論理性と体系性があり、何よりも有元には情熱とひたむきさがある。
JPBAインストラクター部会も、今までの古さから脱皮をして、こうした新しい血を導入していかねばならないと思う。有元に会った直後わたくしがまだインストラクター部会のアドバイサーだったときに有元を部会に紹介して取り上げるよう要請したが、残念ながら受け入れられなかった。アドバイザーは勧告権は有するが決定権がない。
さて、5月20日の有元コーチングセミナーは、コーチングを考える多くの受講者を感激させるものでした。その証拠に本セミナー修了後、多くの参加センターから単独開催の要望があり、いまや有元コーチは大忙しだ。
また福岡三裕プロとの出会いも大きな収穫だった。彼はコーチングにおおきな情熱と前向きな姿勢をもっている。それと現状への批判精神。今後大切な仲間となるだろう。
参加者は多岐にわたり、
①BM購読者でより詳しく著者本人から学びたいという人。
②LTB指導のヒントを求めてこられた方。
③お客さまの技術的壁を打ち破りたいインストラクター。
④JBC関連の方。
⑤わずかだけれど4名のプロボウラーなど。
このセミナー修了後、すぐにセンターやグループなど10ヶ所以上から有元要請のお呼びがかかっています。つまり彼はプロコーチとしての第1歩を踏み出したといって良いでしょう。 プロとはライセンスの問題ではなく、本人がもっている技術や知識などでお呼びがかかり、食っていくことができるヤツなのだ。“求められること”それがプロだ。
本来このセミナーには講師としてわたくしも名前を連ねており、林久美子とともに主催の一人であった。しかし場協会の後援を得たいという林のたっての要望もあり、わたくしは自主的に会場を非加盟の本山からスポルトに移した。
しかるにスミが講師に名を連ねているのでは後援できないとの訳のわからない理屈で林プロに圧力がかかった。
別に名前なんかどうでも良いのでわたくしは講師から名前を外したというような経緯があった。
何のためにという大前提を失っている業界の現状を端的にあらわしている事例だ。
面倒だから6月1日を期して場協会に入会手続きをしました。
入会した以上前向きにとらえていきたい。
さて、有元コーチとは近々、わたくしに代表される古いLTB指導理論を刷新し、有元理論を全国区に紹介するセミナーを行おうと話合っています。楽しみにしていてください。
またJPBAトーナメントとインストラクターの2本柱であるはずなのに、東海プロ支部はインストラクターを無視して運営しているので、この際林久美子を中心として「東海地区インストラクター研究会」(仮称)をつくりみんなで勉強していこうということとなった。
8月と11月に予定。多くの方々のご参加をお待ちしております。
この東海地区から日本におけるインストラクターとコーチの新しい息吹を提示していきたいと考えています。
2~3センターで有元コーチング研究会を行います。
とかく他人の目や先輩の意向に振り回されてきている東海(東海に限りませんが)から脱皮して行きたい。
何のためにやっているのかを明確にして行動していきたいと考えます。
投稿者プロフィール
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1935年11月8日、東京都生まれ。1967年1月にライセンスNo.4の第1期生プロボウラーとしてデビューする。ボウリングインストラクターライセンスはマスター。プロボウリング協会創設メンバーでもあり、プロボウリング協会に貢献した人物。2014年4月逝去。株式会社スミ、初代代表取締役。
主な著作は、子供とボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(日本テレビ出版)、NBCJインストラクターマニュアル、ブランズウィック発行マニュアルなど多数。