時代は変わる。 お客さまは成長する。成長していないのはわれわれだ。  

お客さまは考える以上に忙しい。そして賢いのだ。
われわれは自分で思う以上にバカなのかもしれない。  
何も流行を追う必要はないけれど、われわれはもっと流行に敏感であるべきではないのか?  

どうもわれわれの業界は横並び主義であり、先手を打ってでる気概がない。
無難に無難にというとらえ方しかできないようにみえるのだが。
場協会がそうであり、JPBAまた然り。  
日本人的と言ってしまえばそれまでなのだが・・・    だからキャンペーンが好きなのだ。みんなと一緒なら怖くないのだから。
しかし、みんなと同じことやっていて通用する時代なのか?   ノン!  
少し前の流行のことばで言えば “オンリーワン”。  創造の時代なのだ。  

他にはない自分だけの存在価値。それをあなただけのために・・・それが店舗価値。  

残念ながらわが業界もここ数年右肩下がりで推移している。その要因は何か?   ・景気後退?   ・輸出後退?   ・設備投資後退?   ・地震の影響?   
・増税の可能性?   ・携帯電話の普及?   ・ネイルの普及でツメをかばう?   
・人口構造の変化?   ・何よりも経済情勢の悪化? ・不安定な社会情勢?   ・建物の老築化?   ・政局の不安定・・・   
どれも当たっているのだろう。しかし、平たくいえば飽きられているのでは?   

底割れ現象なのだ。問題はここにあるとわたくしは思う。    
ボウリング場って  
・どんなところか  ・どんな人達がいるのか ・どんなことをヤルのか ・どんなサービスがあるのか ・どんなモノがあるのか  全部バレバレなのだ。

エンターテイメントの世界において、こんな底割状態でダレが目を向けると思うのか? 
(エンタメにもなっていないけれど)  
「エンターテイメント? バカ言っちゃあいかん、ボウリングはスポーツの世界なのだ」なんて反論が聞こえる。
その通り、ボウリングはスポーツだ。 間違いない。(スポーツとは何かを明確にする必要はあるけれど)  
しかし、そういっているのはテメエ達であり、一般のお客さまは「カラオケにするか、ボウリングにするか、はたまた映画にいくか?」ってなとこでボウリングを選んでいるのである。「ボウリングでもやろうか」なのだ 

わたくしはこの人達を尊敬の念と感謝の気持ちを込めて “デモ族”と呼ぶ。
わが業界はスポーツボウラーに支えられてはこなかった。
デモ族に支られてきていたのではないか? 面白いと少しは思ってくれるから来てくれていたのである。それがわれわれの怠慢で底割れさせっぱなしでやってきた。  
打つ手はみんな横並び、変わり映えなし。どこでもおこなっているキャンペーンなるものばかり。独自性の欠如。企画力の無さ。
潮流企画(例:フリータイムやレッドピンそして昭和49年に発表したストライクチャレンジ)一辺倒。当センターも同じ。  
これでデモ族が喜ぶってのか? 

あと5~6年経てば世代は入れ替わるだろう。その時はバカの一つ覚えのフリータイムでも、レッドピンでもやりあいい。  プランニングのキーワードは 「意味づくり」だと思っている。  
「ボウリング場はボウリングをするところではない! ボウリングもできるところなのだ!」  

“ボウリング場はボウリングをするところ”というとらえ方が、すでに時代遅れなのだ。
それこそ既成概念なのだ。いま求められているのは新しい意味づくりなのである。  
無論リーグを否定するモノではない。どころか推進論者だ。  

さてそこでだ、いまわれわれに求められているものは何か? 
それはだれにもわからないのだ! なぜなら求められていないのだから・・・  
ではどうするのだ? だから創るのだ! 新しい意味を! それこそ企画だ! 
これからは知恵の勝負の時代なのだ!   
「企画」を辞書で引くと <企て> <もくろみ>。   そこで何を企てるのか?
もくろむのか? が 問題になる。  何のための目的(もくろみ)なのか?   
①売り上げをあげるのか    
②利益をUPさせるのか    
③お客さまを満足させたいのか    
④来場頻度をたかめたいのか    
⑤1人当たりゲーム数アップなのか    
⑥いままでと違う価値の教室をつくりたいのか    
⑦営業のやり方を変えるのか    
⑧新しいサービスをつくるのか    
⑨新しい組織にシフトするのか    
⑩変わったイベントをうちたいのか    
⑪新しい競技システムを開発したいのか    
⑫付帯収入の向上を図りたいのか    
⑬客単価をあげたいのか    
⑭より効率化を図りたいのか    
⑮より面白いことを創りたいのか    
⑯より楽しいことを提供したいのか    
⑰より気分のいいことをか    
⑱よりためになることをか    
⑲お互いに得することをか    
⑳etc etc etc  

このようなことのために企て、目論むこと、それが企画なのだろう。  
アイディアと企画は違う。アイディアは“思いつき”。その思いつきを具現化する作業が企画の作業だ。  思いつきはだれにもある。
問題はそれらの思いつきを現実可能にするためのプランニング作業なのだ。  
思いつきだって、思いつく人とあまり思いつかない人とに差がある。この差はなにか?
なるべく多くのスタッフに思いついてもらい、それを検討し企画にまで昇華させるにはどうしたらいいのか?  
つまり企画とは  《「何らかの目的のために、なにをするのか」を考え整理ること》だ。  
まず “何のため” という 目的 が明確でなければならない。  
企て、もくろみである以上、企画は今後の行動を企てることになる。
つまり、現状と将来が目的を通していかにうまくつながれるか、にかかっている。
目的の属性  それでは目的とは何だろう。条件の差を整理する必要がある。
 
①認識の差の整理・・・<企業収益UP> が目的とされた場合、   
・売り上げ増進   ・経営多角化   ・新商品開発     など目的に対する認識の差をどうするか、という問題。  

②時間の差の要素 ・・・<いつまでに> という問題。    
10センターまで増やそう という目標があっても、それを    <いつまでにやるか>という問題なくして計画は立たない。  

③必要性と必然性の差・・・<シェア拡大> のためなのか、    
<新商品のセンター新導入>のためなのか、とでは必要とする情報が違ってくる。    (わが業界に新商品が全くない。何故か?)  

④場所の差 ・・・場所による内容の変化。
ボウリング場内部でもコンコースか、プロショップか、レーン上か、など、目的により場所は変化する。    
・ストライクチャレンジのアナをどこでおこなっているか? 等々。

目的追求の基本姿勢
①・兆候 ・変化 ・流行 ・時流 ・傾向 etc
に気づくには「自由な心、スタンスをもつ」こと  
②目的と目標の違いと企画と計画の違いを整理していること  
③先入観、既成概念に毒されないこと  
④無駄をはぶき、シンプルに考え組み立てること  
⑤設定されている ・理念 ・ミッション ・コンセプト などを裏切らないこと  
⑥企画キャッチフレーズはその企画のコンセプトだ。掲げたキャッチフレーズを実体が  裏切らないこと  
例えば“おしゃれ”は「客観的に自分を良く見せるための試み」でもあるはずなのに、とかくズレが生じる。ほとんどがズレだ。
問題はそのズレに気づかないでいることである。

わが業界はまさにこのズレにまったく気づいていない。ここに最大の問題があるのだろう。 わたくし自身も含めて!  
目的追求の基本姿勢とは、このズレに気づくところからはじまる。  
これこそ非常に難しいことで、ここにこそ客観的な視点が必要だ。
しかし客観的視点と当事者の主観的視点とはほとんどが一致しない。
だからオシャレはなかなか成り立たないし、成り立ったとしても大多数が認めるものでないのだ。ここのところをどのようにとらえていくかがそのセンターの個性になる。  

それにしてもボウリング場はオシャレでない・・・悲しくなるぐらいオシャレでない。
むしろダサイのだ。悔しかったらイノべーダー達に目を向かせてみろ!  
自分(経営者や支配人)が良いと思っても、お客さまが良いと思わない。
そしてほんの少し先を行くべきなのに。ここになぜ気づかないのだろう。だから時代においていかれるのである。  

当センターはとにかく「健康と友好」をテーマにしたLTBを徹底しておこなっていくのみです。  
今月は内輪の話ですが、わたくしは何でもオープンにしたい方なのでお客様にも内輪をおわかりいただき参画いただければとてもうれしい限りです。

投稿者プロフィール

すみ光保
すみ光保
1935年11月8日、東京都生まれ。1967年1月にライセンスNo.4の第1期生プロボウラーとしてデビューする。ボウリングインストラクターライセンスはマスター。プロボウリング協会創設メンバーでもあり、プロボウリング協会に貢献した人物。2014年4月逝去。株式会社スミ、初代代表取締役。

主な著作は、子供とボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(日本テレビ出版)、NBCJインストラクターマニュアル、ブランズウィック発行マニュアルなど多数。

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