先月何回かに分けてリーグの間違いについてお話しすると書きましたが、いざ書こうとしましら毎月の連載で約2年間ぐらいの量になってしまいそうで残念ながら断念。
そこでピックアップし間違い約30項目を、ポイントだけ今月にまとめました。
それほど我が国のリーグはいい加減で乱ていまして、リーグが根付かないはずです。
もし何か質問や反論などありましたらメールなどでおい合わせ下さい

リーグでおちいりやすい間違い 30項目  
1.“1本のリーグはひとつのクラブ組織である”という認識の欠如。  
 これは先月号で最初に触れたことで、リーグの出発点として要となります。

2.チーム戦でありながらIND HDCPを採用する間違い。
 チーム戦でありながら何故IND-HDCP(個人)を採用するのですか? 
 日本のチーム リーグの90%以上がこの間違いを犯しています。
 IND-HDCPの方が計算しやすく、初心 者にわかりやすいという安易な視点からそ うなっているか、あるいはセンターの担当者が知らな いのでしょう。

3.個人のAVGを参加者分たして、割ったものをチームのAVGとする間違い。
 この場合ブラインド(BL)があるときどうするのでしょうか? 
 チームトータルピン割るゲ ーム数がチームAVGです。ブラインドスコアをチームトータルに加算している場合を含めて、 この算出法は間違いです。

4.チームのAVGを個人に換算して表示する間違い。
 チームAVGを参加者人数分で割り表示しているセンターがかなり見受けられます。
何のために  そのようなことをしているのでしょうか? 理解できません。

5.AVGをHDCP INC で表現する間違い。  
 AVGはいかなる場合でも常にスクラッチ表示が基本です。AVGは個人にせよチームにせよその人もしくはチームの実力を現す唯一のデータであります。HDCPリーグでもAVGはスクラ ッチ表示で、スクラッチトップは全員でたたえる習慣をつくるることが重要。

6.WON-LOSTマークを○ ×で表現する間違い。  
 ×が負け、○が勝ちとしている間違いがこれまた多い。×はバツではなくストライクマークなの です。ボウリングを知らないのが一目瞭然で恥ずかしい。

7.チームゲーム数を個人ゲーム数として表現する間違い。  
 シングルス3ゲーム。という表現はわかるのだけれど、ダブルス個人6ゲームチーム3ゲームな どという表現が意外とある。ダブルス3ゲームで事足りるのに・・・

8.つねに固定でHDCPを設定する間違い。  
 AVGの変動とともにHDCPも変化するのが基本であり常識なのだが、1週目のHDC Pを最後まで持ち越してしまう間違いもある。この方法だと伸長度のある人ほど有利  に働き、ハイアベ ボウラーをしらけさせる。

9.スペアメンバーを複数のチームで投げさせる間違い。  
 今日は巨人でピンチヒッター、同一人物が明日は阪神でピンチヒッターなんてことはあ り得ない スペアメンバであろうともそのチームのメンバーであるのだ。
 こんなことを当たり前化させてい るから、チームリーグが育たないのだ。

10.先投げ。後投げの間違い。  
 これは基本的に本ルールに違反する。しかし“ローカルルールは本ルールに先行する”  ので問題 はない。リーグ規定そのものがローカルルールなのだ。BL防止策の一環とし て先投げを認めるの は良いと思うのだが、後投げは行うべきではない。投げ終わった  人のスコアを見ながらの投球は 避けるべきだ。

11.ダミーメンバー設定の間違い。  
 投球のタイミングなどを保つために勝敗やスコアの結果に関係のない人を投げさせるケ ースが良 く見受けられる。ペースメーカーとしてのダミーメンバ-は本ルール違反である。ハウスリーグ ではいいだろう。

12.リーグで飛賞を設定する間違い。  
  HDCPリーグで飛賞を設定しているリーグに時々お目にかかる。何のためのHDCP  なのか? スクラッチリーグでも飛賞はおかしい。HDCPがリーグの基本だ。

13.ブラインドスコア(BL)を固定で設定する間違い。
 150がBLスコアなどと固定で決めているところも意外と多い。180の人のBLと、110 のBLとが同じスコアであることが理屈に合わないし、面白くなくなるだろう。

14.キャプテン会議を開催しない間違い。  
 リーグ運営の決め事やリーグルール、プライズなどは全てキャプテン会議にて決めていく のだ。 ここに全てのリーグはひとつのクラブ組織であるという前提がある。ここをしっかり守 らないか らリーグが長続きしないし、退屈するので目先を変えようとし、変則リーグがは びこるのだ。

15.リーグ要項を決めない間違い。  
 前項と同じだ。多くのセンターがセンター主導でリーグを行っているので、お客様が育た ないし センターに頼りっぱなしとなっているのが多くの現状だ。しかもセンター側がリーグ の知識が無いときているから始末が悪くなる。

16.プライズフィもセンターの収入とする間違い。  
 ゲーム料がセンターの売り上げ。プライズフィーはひとつのクラブ組織であるお客様のお  金だ。 それを雑収入でセンターが抑えるのはこれまたリーグを理解していない証拠であ り、リーグの発 展を阻害する。

17.引き分けを0.5で表現する間違い。  
 ゲーム引き分けの場合、リーグレコ-ドカードのWON-LOSTの枠に1/2と双方  記入する 50ピン1ポイントのピーターソンなどの場合25ピンづつ分ける。

18.HDCPリーグで、「リーグチャンピオン」を設定しない間違い。  
 チーム戦であろうが、HDCP戦であろうが、常にAVGトップがリーグチャンピオンとして  表彰される。賞品があるなしではなくAVGトップをたたえる習慣を身につけたい。米国 では必ず リーグチャンピオンのワッペンがある。

19.ブラインドフィー取り扱いの間違い。  
 ゲーム代とプライズフィーの合計をブラインドフィーとして徴収しているところがある。投げ て もいないのに何故ゲーム代か? ペナルティー? 投げてもいないゲーム代を取るべ きではない。

20.チームアベレージからHDCPを算出する間違い。  
 この方法だとスペアなどメンバーが替わってもHDCPは同じとなる。変な操作が可能に なるし 公平を大前提にするリーグの精神にも反する。

21.規定ゲーム数を無視して、スタンディング表示をする間違い。
 野球でも規定打数に達しないとランキングに名前は表示されない。ボウリングも同じで 別枠でと らえるべきなのだ。基本的にはゲーム数の2/3以上投球して初めて規定  ゲーム数。受賞対象と する。

22.スタンディングフォーマット不統一の間違い。  
 現在はASによるスタンディングがほとんどで、AS機種によって違う。ここにもリーグが定 着しない要因のひとつがあろう。どこのセンターに行っても誰もがわかるフォーマットに統 一すべ きであると考える。

23.リーグレコードカード不統一の間違い。   
同上

24.略語、記号不統一の間違い。
 これまた全国で統一すべきと考える。

25.代打ちという表現の間違い。  
 用語の使い方だが、そのスポーツの専門用語はそれが発生した国の言葉を使用して いる。日本で 派生した柔道の国際試合でも”“教育的指導”“一本”などと難しい用  語が国際的に使われている 代打ちはスペアだ。他にも色々ある。

26.後付けという表現の間違い。(逆算のこと)   
 同上

27.チームAVGを表現しない間違い。  
 これはそのチームの実力を現す。IND-AVGが出ているでしょうから無くとも良いので すが リーグ振興のためには習慣化させていくべきでしょう。

28.基本的な6種類のポイントシステムを無視する間違い。  
 リーグにおけるポイントは基本6種類だ。その目的と方法をどこも学んでいない。そして 飽きた という声に迎合して、ひねくれたポイントを考案して混乱させているのが現状だ。JPBAのイ ンストラクターメンバーも知らないというお寒い現状だ。

29.トータルピンのみで順位を決定する間違い。   
 同上

30.その他まだまだありそうですが・・・ そのうちに。

「すみ光保多分最後のコーチング」 を行います。
詳細は本山ボウルまでお問い合わせ下さい

投稿者プロフィール

すみ光保
すみ光保
1935年11月8日、東京都生まれ。1967年1月にライセンスNo.4の第1期生プロボウラーとしてデビューする。ボウリングインストラクターライセンスはマスター。プロボウリング協会創設メンバーでもあり、プロボウリング協会に貢献した人物。2014年4月逝去。株式会社スミ、初代代表取締役。

主な著作は、子供とボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(ぎょうせい出版)、ボウリング(日本テレビ出版)、NBCJインストラクターマニュアル、ブランズウィック発行マニュアルなど多数。

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